俳句の喜びー清水呑舟ー
私が俳句を始めたのは62歳で定年退職を迎えた時からでした。以来20年、俳句を通じて 多くの事を学び、楽しみ、喜びを得て来ました。82歳になった現在、俳句抜きの生活は考えられません。私にとって俳句の喜びは何であったかを纏めてみましたので参考にして下さい。
1.俳句は勇気・希望を与えてくれる
俳句は自分の生き方、自然の光景、身の回りの光景や出来事、動植物の観察等を季語を入れて五七五で詠むものです。今まで何気なく見過していた事や気付かなかった事が俳句を始めると見えて来るようになります。
それにより、新たな発見があり、生きる力や勇気、希望が湧いて来ます。それらの関わりの中で自分の生き方を見直し、お世話にになった人へ感謝の心、が生まれます。更に新しい言葉や事象も覚え、豊かな気持ちになって来ます。
2.四季を敏感に感じる
俳句は四季を詠む文芸です。俳句を詠むことにより、自然界の季節の移ろいを敏感に五感で受け止め、人間生活の営みへ結びつけることが出来ます。
3.古典文芸に巡り合える
俳句では万葉集、源氏物語、平家物語、徒然草、百人一首、奥の細道、西行法師 、 蕪村、一茶、漢詩などが詠まれることが多い。それにより当時の人達の考え方や生活が推測出来ると共に、おのずと古典文学入門の一歩となります。
4.感動を表現した喜び
俳句の対象物に対して、自分が感じたことをずばり十七音で表現できた時の感動、そしてそれが評価された時は俳句をやっていて本当に良かったと思う瞬間です。
5.俳句仲間の作品に共感する喜び
俳句仲間の作品が、自分の想いと適合した内容になっている時には意識の共有感が生まれます。俳句は座の文芸であり、仲間との親交を深める場であります。
6.いつでも何処でも一人で出来る
文字通り独りの世界に浸ることが出来る。手帳と筆記用具があれば待合室でも電車の中でも俳句は作れます。
7.友達が増える喜び
句会や俳句大会に参加することにより、様々な人と知り合い、俳句の意見の交換や分らない事を聞く事が出来るようになります。また俳句以外の意見交換をする事も出来ます。俳句を初める前は自分の回りの世界しか知りませんでしたが、俳句の輪を作ることによ、人との繋がりが無限に広がっていきます。
8.奉仕及び達成の喜び
句会や団体の活動に参加し、労力を奉仕して一つの目的を仲間と協力して達成する。そうすることにより、目的達成の喜びもひとしおです。
9.考えを纏めて表現する習慣が出来る
俳句を始める前は物事を漠然と考えていたが俳句を始めると否応なしに考えを纏めざるを得ない。自分の考えを収斂する習慣が出来、ボケ防止につながります。
10.興味、好奇心、探究心が増す。また物忘れの進行を防ぐ
もともと俳句をする人は、興味・好奇心が旺盛であるが、俳句を始めると、様々な観察や調査が更に必要となり、益々興味・好奇心が増し、脳が活性化します。
11.周辺の人への思いやり
俳句は自愛の文芸であるが、また仲間を労わる文芸でもあります。お互いに持ちつ持たれつ、助け合う気持ちを共有したいものです。